こちらは木目金の矢立でございます。

まるく柔らかいつぼ型の墨壺が印象的な矢立です。

ぷっくりした、存在感のある墨壺がぶら下がっており、

表情のある筆入れとの比較がまた面白いです。

木目金の表情に、陶器の表情を重ねると、

確かに共通する美、味わいがあるように思えます。

そして真鍮地に逆に荒らし鏨で

雰囲気をかもしだしている筆入れは、

墨壺とお互いを引き立てあっている存在とえるでしょう。

木目金のもつ雰囲気を、全体のバランスになじませた作品です。

 

江戸時代後期 銅、赤銅、真鍮
L210.0mm 98.0g

Yatate with design of woodgrain pattern
Late Edo period
Copper, Shakudo, Brass